不登校の中学3年生(男子)のお子様

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お子様は、小学校高学年の頃から登校できなくなりました。特にいじめやトラブルがあったわけではないものの、徐々に学校に行けなくなったとのことです。それ以降はほとんど勉強をしておられません。当初はワークを買い与えていたそうですが、ほとんど手を付けないため、最近では購入自体をやめたそうです。現在は仲の良い友人もおらず、ご家族と外出する以外はほとんど自宅で過ごしています。特定の趣味に依存しているわけではありませんが、ゲームやインターネット閲覧の時間が長く、社会から孤立しているように感じられているといいます。こうした現状に、母上もお子様も不安を抱いておられます。母上は、「可能であれば高校に進学してほしい」と考えており、「高校無償化の対象となるなら私立でもかまわない」とのことでした。

学校に通えなくなる明確な原因はさまざまであり、専門家でない限り特定が難しいのが現状です。勉強についていけなくなることがきっかけとなる場合もあるため、今後を見据え、小学校高学年の内容にさかのぼって学び直す必要があるとご説明しました。その場合、集団指導の塾では対応が難しいこともお話ししました。
また、公立高校入試では中学3年生の定期試験成績をもとに決まる内申点を合否判定に用いるため、公立高校を受験することは現実的に難しい点をお伝えしました。そのうえで、私立高校を目指すか通信制高校も選択肢に含めることをご提案しました。ただし通信制高校については「自宅での学習が難しい」と感じておられたため、最近は学習塾がサポートしてくれる場合もあることをお伝えしたところ、大変驚かれつつも安心していただけました。

お子様ご自身も学習していないことに不安を感じておられるとのことでしたので、過度な負担とならない範囲で学習塾等を利用して勉強を再開されることを提案しました。外出が難しい場合はオンライン指導もある旨をお伝えしましたが、お子様は対面指導を希望されているとのことでした。一方で、同級生に会うと気まずさを感じる可能性があるため、自宅から自転車で通える、同級生がいない小学校区外の学習塾をご紹介しました。事前に塾側と打ち合わせを行い、早い時間帯で中学生の来ない授業枠を設定してもらい、小学校高学年の内容から順に学習を進めることといたしました。さらに学習の進み具合に応じて、近隣の私立高校や通信制高校への進学サポートも行い、高校進学以降も自習室を活用して無理なく学習を続けられる仕組みが整っていることをご説明しました。

体験授業当日は少し気乗りしない様子でした。後にお子様から伺ったところ、久しぶりの勉強についていけるか不安だったそうです。しかし、教室で授業を受けてみると、わかるところ・わからないところを一緒に確認してもらえ、優しく接してもらえて嬉しかったとのことでした。不安は大きかったものの「頑張ろう」という気持ちになり、入塾を決められました。

これまでは勉強から逃げようとする傾向が強く、親として対応すれば良いか悩んでおられたそうです。しかし、今回思い切って相談したところ、「とても丁寧に話を聞いてもらえ、寄り添った対応が心強かった」とおっしゃっていました。ご紹介した学習塾は名前を聞いたことがある程度だったそうですが、事前にじゅくシェルパを通じて状況が共有されており、大変親切に対応してくれたとのことです。お子様も安心して勉強に取り組んでおられ、感激のあまり涙を流されていました。

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